〈PR〉

早期教育プロジェクト
日本最高峰の音楽教育を子どもたちに 東京藝術大学で早期教育プロジェクト

 2014年度から始まった東京藝術大学音楽学部「早期教育プロジェクト」。子どもたちに音楽の素晴らしさを実感してもらい、将来の夢をあきらめてほしくないという思いを込めた「夢を夢で終わらせない」のテーマのもと、全国各地で公開レッスンを開催してきた。1月7日〜8日の2日間、東京・上野の東京藝術大学で開催された公開レッスンと、その集大成となる特別演奏会を取材した。

取材・文/高原暢彦 デザイン・編集/REGION 企画/dot.ADセクション

160人を超える子どもたちが参加

 2016年度の早期教育プロジェクトは、北陸地方と中国地方を加えた全国9都市で11回開催。東京藝大の教員から直接指導を受けられるとあって、これまでピアノ、ヴァイオリン、チェロ、フルートの各部門にのべ163人、グループレッスンを中心とした管打楽器部門に158人、計321人の子どもたちが参加した(2016年7月時点)。
 1月7日〜8日に行われたのは管打楽器部門のグループレッスン。小学4年生から中学2年生まで120人を超える子どもたちが集まった。グループレッスンでは藝大の教員から演奏時の注意点や楽器の構え方、姿勢などについて指導を受ける。たとえばフルートのグループレッスンで、「音出しの時からフレーズ感を頭の中で考えながら」など、常に「演奏すること」を意識するよう講師が促すと、奏でる音は明らかに変わる。また、クラリネットのグループレッスンでは、「吹奏楽のように人数が多くなったときほど自分の役割を理解して演奏するのが大切」などと説明があり、強弱をつけるポイントのヒントをもらった。
 パーカッションのレッスンに参加した上澤亮介さん(中学2年生)が「普段、部活ではやらないことを教えてもらえて勉強になった」と目を輝かせると、同じくパーカッションのレッスンを受けた中里天音さん(中学1年生)も、「バスドラムを打つときの立ち方や手首の使い方など、細かい点まで教えてもらえた」と、藝大の教員のきめ細かな指導から何らかのきっかけをつかんだようだ。
 早期教育プロジェクトのレッスンと並行して「指導者講習会」も実施。指揮法や編曲法、スコアリーディング、ホルスト作品の楽曲解説のほか、理学療法士による「姿勢と呼吸と音楽について」といった講座が開かれ、吹奏楽に携わる指導者たちが熱心に耳を傾けた。

プロジェクト参加者と藝大オケの特別講演

 2日目のレッスン終了後、早期教育プロジェクトと指導者講習会の特別演奏会が開催された。この演奏会は早期教育プロジェクト初の試み。一般にも無料で公開され、会場の奏楽堂はほぼ満員となった。
 第一部は、小・中学生の全受講生と藝大の管打楽科教員、東京藝大ウィンドオーケストラメンバーが、山本正治教授の指揮で「マーチ・スカイブルー・ドリーム」「ロマネスク」「アルセナール」の3曲を演奏。学校や楽器経験年数もバラバラのメンバーだけに、1日目には「なかなか合わず、演奏会のキャンセルもあり得ると思いました」(山本教授)と心配していたが、3曲とも顔を合わせて2日目とは思えないほど息の合った素晴らしい演奏となった。
 第2部では東京藝大ウィンドオーケストラが、東京藝大非常勤講師の上野正博氏の指揮で「ローエングリンより エルザの大聖堂への行列」「たなばた」「アルメニアン・ダンス・パートⅠ」を披露。海外公演も行う日本屈指の楽団だけあり、メリハリや奥行き、曲のストーリー性まで表現された素晴らしい演奏。また、指揮者講習会の受講生から選ばれた3人が、藝大ウィンドオーケストラをモデルバンドにしてホルスト作曲「吹奏楽のための第一組曲」を1楽章ずつ指揮。一様に緊張した様子だったが、演奏後は日本最高峰の楽団を指揮した満足感にひたっていた。
 コンサートに参加した小学5年生の女子(トロンボーン)は、「普段は金管バンドなので、吹奏楽で演奏できて楽しかった。藝大ウィンドオーケストラは私たちより人数が少ないのに、音が響いていて迫力があった」などと興奮気味。小学4年生の男子(チューバ)は、「レッスンでは1つしか知らなかったタンギングを何種類も教えてもらえた。コンサートも楽しかったし、絶対にまた参加したい」と笑顔で話していた。

※早期教育プロジェクト&指導者講習会は来年度も上野で開催する予定です

講師インタビュー
山本正治
(東京藝術大学教授、クラリネット)
山本正治氏(東京藝術大学教授、クラリネット)
 管楽器の場合、音を正確に出すには顔の筋肉をしっかり形作る必要があります。ですから、2日間のレッスンでは劇的な変化は出なくても、この2日間で教わったことを持ち帰り、日々の練習に活かしてもらえたら嬉しいです。ヨーロッパでは幼少期からソルフェージュを重視した教育が行われています。楽器で正確な音を出すには、正しい音を聞き分ける耳の良さが重要だからです。楽器を演奏するにしても、音階を声に出して歌う練習も必要なのだと思います。
 早期教育プロジェクトには、藝大の教員から指導を受ける機会を作るという目的のほかに、将来演奏会に足を運んでくれる「音楽ファン」を増やすという目論見もあります。ぜひ、若いうちに音楽の楽しさや素晴らしさを知ってほしいと願っています。
日髙 剛
(東京藝術大学准教授、ホルン)
日髙剛氏(東京藝術大学准教授、ホルン)
 この2日間でレッスンを受けにきてくれたのは、高い向上心を持った子どもたちばかりでした。こちらが教えたことに対する反応も非常に良く、それゆえに上達も早いという印象を受けました。現在、理学療法士とともに演奏時の姿勢や呼吸法などについて研究していますが、早いうちに「良いクセ」をつけることができれば、より早く上達すると考えています。
 早期教育プロジェクトは、普段から疑問に思っていても聞けない、専門のトレーナーもいない、という状況にある子どもたちにとって、とても良い機会になると思います。また、人と人が触れ合う場でもあるので、アンサンブルなどで演奏する際に、相手を思いやることで楽譜以上のものを感じる心を養うこともできるのではないでしょうか。

提供:東京藝術大学