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第2回親守詩全国大会
第2回親守詩全国大会開催 記念シンポジウム「今 日本の子育てに必要なものとは」
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コーディネータ・パネリスト各氏のコメント要旨
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向山洋一氏

向山洋一氏(TOSS代表)

 私の母は、子供を叱るということがありませんでした。私の弟が小学生のとき、給食が食べられず毎日のように残して持ち帰ってきても、けっして叱ることはなく、むしろ弟の栄養価を心配するような優しい母でした。昔から日本の子育ての基本的な観点は、「子供を叱らない」ということであったと思います。それが、戦後教育のなかで忘れられてしまいました。あるドクターの話によると、子供というのは怒鳴られたり叱られたりすると、脳機能が壊れていくのだそうです。家庭、学校、地域という子育ての「三本柱」の大切さを再認識し、家庭においては「親と子の愛着形成」という、かつての日本には確かに在った子育ての素晴らしい伝統を取り戻してほしいと思っています。

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髙橋史朗氏

髙橋史朗氏(明星大学教授)

 私は情緒が安定しているほうですが、それは母のおかげだと思っています。母は私にとって、まさに母港でありました。父はどんなときにも私を励まし、「大丈夫!必ず良くなる」と言い続けてくれました。私の今日があるのは、そんな父の言葉を信じてきたからだと思います。母性の優しさ、父性の厳しさという両面が、家庭教育においては必要なのです。
子育ては、家庭で芽を出し、学校で花を咲かせ、地域で実を結ぶと言われます。かつての日本には、親心があふれていました。親が率先して範を示し、後ろ姿で教えるという学習(真似を繰り返して覚える)の基本がありました。どうぞ毎朝必ず、子供たちに「おはよう!」と声をかけてあげてください。最後に「親守詩」について一言。政治的な立場等を超えて、誰の心の琴線にも触れる「親守詩」が、より草の根の運動となって広がることを切望しております。

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岩野伸哉氏

岩野伸哉氏(日本教育文化研究所理事長)

 「子供は授かりもの」ということを、私は自分に娘が生まれて初めて強く実感しました。偉くなってほしいとか、成功して裕富になってほしいとか、そんなことは望まず、ただ目の前の命が愛おしいと思いました。今でもそうですが、願いといえば娘に「自分が幸せと思える人生を送ってほしい」という、ただそれだけです。思い返せば、私の両親もそうであったように感じます。母はわんぱくな私を包容力をもって見守り、父は社会でやってはいけないことだけは、しっかりと伝えてくれました。日本の伝統的な家庭教育の良さは、親子のつながりを大切にしてきたこと、言い換えれば日々の“染み入るような愛情”であったと思います。スキルではなく、コミュニケーションとしての子育てです。「親守詩」が、その一助になればと願っています。

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明石要一氏

明石要一氏(千葉敬愛短期大学学長)

 昔の手紙に“日本一短い手紙”というのがあります。遠隔地に赴いている父から「火の用心 おせん泣かすな 馬肥やせ」という、これだけの短い便りです。私はこれが日本の家庭教育の基盤を表していると思います。家庭を大事に、子を大事に、生業を大事に、ということです。一方、「男女七歳にして席を同じうせず」というのがあります。つまり、子供は6歳まではノンセックスで、天からの授かりもの。だから、子供は家の、地域の、国の宝であるという考え方です。また、へその緒を大切にとっておき、子供が巣立つときに持っていかせるのは、日本だけの風習だそうです。こういう日本の子供観、子育て観は世界でも希にみるもので、日本の親たちにはその自負があったのだと思います。日本独自の子育てを、「親守詩」の運動を通して高めていただきたいと期待しています。

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損保ジャパン日本興亜ひまわり生命

お兄さん(左)、お母さんと一緒に記念撮影


<作文・詩>部門 優秀賞
髙橋稜太くん
(山形県尾花沢市立常盤小学校1年)

まずは、稜太君の受賞作を読んでいただこう。


ぼくのおかあさんは、ほいくしをしています。ほいくえんのときは、ぼくのえんそくやうんどうかいにおかあさんはこられませんでした。そのかわり、おいしいおべんとうをつくってくれました。おかあさんは、きゃらべんがとてもじょうずです。ぼくのおかあさんは、とてもやさしいおかあさんです。

 お母さんが運動会に来られなかったので「悲しい」とか、きゃらべんを作るのが上手で「嬉しい」とか、感情を表す具体的な言葉はどこにも出てこない。それなのに、稜太くんがお母さんのことをどれだけ大好きで、信頼しているか、それが平仮名だけの平易な作文から素直に伝わってくる。お母さんの稜太くんに寄せる愛情の深さもよく分かる。何も言わなくても、心が通い合っている母子。でも、こうして親愛の気持ちをあえて言葉にすることで、母と子の絆はもっと強く、深くなる。
 この作文は2学期の道徳の授業時間に書いた。小学校に上がってから日記を毎日つけているので、稜太くんが作文は得意とお母さんも知っていたが、初めてこの作品を目にしたのは、山形県の親守詩実行委員会から受賞の手紙が届いたとき。「突然なので、ほんとうにビックリ」。県大会の表彰式では稜太くん自らが朗読したので「あらためて感動が増し、泣きそうになりました」と振り返る。
 文中に出てくる“きゃらべん”は、妖怪ウォッチの「ジバニャン」とか。海苔やチーズを使って、2人で一緒に楽しく作るのだそうだ。次は親守詩の「連歌」部門に2人で応募しようと決めている。どんな歌が詠まれるのか。今から、楽しみにしているよ。



「第2回親守詩全国大会」を終えて

大会委員長
岩野伸哉
(日本教育文化研究所理事長)

 今年度は実行委員会を47都道府県すべてに置いたこともあって、前年度の2倍以上の応募がありました。親守詩の普及が進んでいるのを感じて、嬉しく思っています。応募作品の内容も、しっとりと感動を与えてくれるもの、元気をもらえるもの、ユーモアに富んだもの等バラエティに富み、いろいろな視点から楽しく選考をさせていただきました。
 学校の授業に親守詩の創作を取り入れることで、先生方もこれまで以上に“親の視点”というものを意識するようになったのではないかと思います。保護者の方々の、子供たちへの温かな想いが伝わってきて、先生方と保護者の方々とのコミュニケーションが深まるといった効用もあるのではないでしょうか。
 親子関係が希薄化していると言われるなか、親守詩を通じて新たなコミュニケーションが生まれ、精神的なつながりが取り戻せるのではないか、とも感じます。家族、あるいは家庭の再生です。教育的な観点で言えば、子供たちにとって、自分の思いを言葉でどう表現するかのトレーニングにもなります。いちばん身近な存在である親を題材にすることで、おのずと気持ちも入ります。
 親守詩は、誰も異論をはさむ余地のない、素晴らしいものだと思います。ぜひ、全国津々浦々にまで広げていきたいと考えています。そうして、未来を担う子供たちに「美しい日本の心」を、身をもって体現してほしいのです。親守詩はまだ発展途上です。息の長い国民的な運動として、期待を持って普及に努めていきたいと思います。


受賞作品はこちら
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