【PR】教育評論家の親野智可等先生に聞く、大学受験生の子を持つ親が心がけたいこと

 体調管理で受験生を応援する「明治プロビオヨーグルトR-1」は、2021年度受験生応援企画としてTwitterコミュニティー『悩める受験生の親の会』をスタートしました。この会は、受験を控える子どもを持つ親が、Twitterを活用することで、気軽に受験の体験談や心得、悩みなどを共有できるオンラインコミュニティーです。
 今回は、教育や子育てについてメールマガジンや著書で発信を続けている親野智可等(おやの・ちから)先生に、大学受験を控えた子どもを持つ保護者の「親力」の持ち方について話を聞きました。

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~受験に向けて親に必要な姿勢~
受験をゴールと考えずに自然体で接する

 親は子どもへの愛情から「受験はうまくいってほしい」と強く思って、どうしても力が入り過ぎてしまいます。そういう親の緊張感や焦りは、子どもにとってはありがた迷惑なことがあります。難しいことかもしれませんが、子どもには自然体で接することがいちばんです。自然体でいるためには、親自身がもう一度自分の人生観を見つめ直してアップデートすることが大切です。「受験は何のためにするのか」「自分たちの人生や生活がどこを目指しているのか」を改めて考え直してみてください。人生の目的は「子どもが充実した人生を送って、幸せになること」であって、受験はそのための手段に過ぎません。

 例えば「大学受験や志望校がゴール」という考え方になってしまうと、「絶対にここに入らないとダメ」と考えて、視野狭窄(きょうさく)に陥ってしまいます。富士山に登るルートがいくつもあるように、子どもが幸せになる道筋はいくつもあります。たとえ大学受験に失敗して浪人したり、大学に行かなかったりしてもそれですべてが終わるわけではない、ということを忘れないでください。

 私が好きな言葉に「人間万事塞翁が馬」という言葉があります。人生においては、周りの人が良いと思ったことが悪くなることもあるし、悪いと思ったことが良くなることもある。物事には良いも悪いもない、という意味です。私自身も、大学受験に失敗して自宅浪人してノイローゼになり、就職するときも2年間浪人して教師になりました。しかし振り返ってみると、浪人したおかげで出会えたすばらしい友人がいるし、最初の就活がうまくいかなかったために、教師という仕事に就けました。私にとって浪人時代の3年間が、今の人生の柱になっています。親御さんもこれまでの人生のさまざまな経験を思い返したときに、そのときは大問題だと思っていたことも、意外と何とかなっていると気づくでしょう。そのくらいワイドでロングな鳥瞰(ちょうかん)的視野を持ってほしいのです。そうすれば、心に余裕が出てきて、無理することなく自然体で子どもに接することができるようになると思います。

親野智可等(おやの・ちから)教育評論家。長年の教師経験をもとに、子育て、親子関係、しつけ、勉強法、家庭教育について具体的に提案。著書多数。人気マンガ「ドラゴン桜」の指南役としても著名。Twitter、Instagram、YouTube「親力チャンネル」、Blog「親力講座」、メルマガなどで発信中。子育て・教育に関するオンライン講演やオンラインサロンを行う
親野智可等(おやの・ちから)
教育評論家。長年の教師経験をもとに、子育て、親子関係、しつけ、勉強法、家庭教育について具体的に提案。著書多数。人気マンガ「ドラゴン桜」の指南役としても著名。Twitter、Instagram、YouTube「親力チャンネル」、Blog「親力講座」、メルマガなどで発信中。子育て・教育に関するオンライン講演やオンラインサロンを行う

~やってはいけないこと~
否定的な言葉は使わず、共感を持って話を聞く

 絶対にやってはいけないことは、否定的な言葉を浴びせることです。「こんな点数で大丈夫なの?」「いつになったら勉強するの?」「もっとやらないとダメじゃない」などは、大きなダメージを受けてストレスになります。親は「勉強しない」という物事について言っていても、聞いている子どもは人格否定されたと受け止めてしまいます。そのため、かけてあげる言葉は、「頑張っているね」「大変だね」といったものがいいでしょう。その子の今の姿をありのまま肯定してあげるのです。なかには、「ありのままを肯定するとそれ以上頑張らなくなるのではないか」という親御さんがいますが、決してそんなことはなく、ありのままを肯定されて、今のままの自分でいいんだとなると、安心して逆に「もう少し頑張ってみよう」「できそうだ」となります。否定されて「どうせ私なんかダメだ」という思考になってしまうのとは対照的です。

 加えて「大変だね」というように、共感することがとても大切です。家庭内で親に話しかけてくる子と話しかけない子がいますが、話しかけてくる子の場合は、共感的に聞いて、愚痴や訴えを絶対に否定しないこと。「先生に怒られた」「友達ともめている」などの話を聞いたときに、「あなたがちゃんと先生の話を聞いていないから怒られたんでしょ」「あなたの言い方が悪いから友達ともめるのよ」などと言ってしまいがちになるかもしれませんが、そこは「そうだったの、それはイヤだったよね」「そんなことがあったの、大変だったね」と共感的に聞いてあげると、子どもはもっとたくさん話すことができて、それがストレス解消になります。

 こういうとき、親がよかれと思ってつい言ってしまうのが、否定はしないまでも「そんなの大したことないよ」「気にしないで」とすぐに励まして、「こうすればいい」とアドバイスをすること。実はこのような対応もあまりよくありません。共感してくれないまま励まされてアドバイスをされると、子どもは「何言ってるの、そんなに簡単な問題じゃないんだよ」と、アドバイスがお説教にしか聞こえなくなってしまいます。どうしても励ましてアドバイスをしたいのであれば、たくさん聞いてあげたあとにアドバイスするといいでしょう。

 逆に自分からしゃべらない子には2種類あって、一つは、器が大きくて、ストレスがあっても自分の中で消化できる子。もう一つは、この人に言ってもムダだと骨身にしみてわかっている子(笑)。前者は、自分で解決できる可能性が高いので、まずは見守る感じでよいと思います。ただ、後者は、親が共感してくれないと思っているので話しかけてきません。あきらめずに共感する姿勢を取り続けましょう。

 共感的な雰囲気が家庭のなかにあると、家庭の居心地が良くなります。家庭が安全基地であることは、誰にとっても大事なこと。家で安らぐことができてはじめて、外で頑張れるのです。

~ゲームやスマホの管理方法~
ゲームやスマホは禁止せずストレス解消になる使い方を

 受験期間は、ゲームやスマホの時間が気になりがち。頭から否定してしまう親が多いのですが、ゲームやYouTubeなどで集中力や判断力、情報処理能力などがつく面もあると言われるようになってきたので、過度に敵視する必要もないと思います。ゲームやスマホを子どもが長くやりすぎてしまい、親が叱ることもあるかと思いますが、それはあまりいい方法だとは言えません。ゲームやスマホの使い方のルールを決める際にも、共感的に話し合って、民主的に決めましょう。「1日2時間までね。約束よ!」と言い渡すだけでは実行できません。お互いの考えや希望を主張しあったり譲りあったりしながら着地点を探して、約束を決めましょう。決まったことはホワイトボードに書いて毎日守れたかどうかを検証し、守れなければ見直すということを繰り返します。

 時には親も一緒にゲームをやったり、子どもにゲームの話を聞いたりするといいと思います。子どもたちはゲームの中でものすごく努力しているので、親が歩み寄ってくれるととても喜びます。ゲームについて頭から否定せず、子どもに共感しながら上手にコミュニケーションを取り、ストレス解消に役立てましょう。コミュニケーションがうまくとれていることは、受験に向けてのメンタルヘルスを整えることにもつながります。自分の大変さを理解し、受け入れてくれて、何があっても味方になってくれる人がいるというのは、精神的に大きな支えになります。

~親が気持ちを落ち着けるには、健康面での配慮~
「瞑想」のすすめと健康面での配慮

 親側が自分のメンタルを保つには、「瞑想」がおすすめです。1日に3分間でもいいので、瞑想する時間をつくると、心が安らぎます。瞑想すると、「メタ認知力」といって、自分をもう一つ上から客観的に見る視点ができます。無理して自分をコントロールするのではなく、自分の感情に気づくことで気持ちが落ち着きます。瞑想は、イライラしているときや、焦るシーンでも効果的なので、受験生にもおすすめです。

 親が子どもに気をつけてあげたいことのひとつに健康面での配慮があります。健康は、大きく分けて、食事・運動・睡眠の三つ。食事は、コンビニ食やファストフードは控えめにして家庭では栄養バランスの良いものを。「明治R-1」のように毎日手軽に続けられて日々の体調管理を支えてくれるようなものもいいですね。もちろん、糖質・塩分・脂質の取り過ぎには注意して。勉強は脳でするものですが、脳も臓器の一つ。食べたものが影響しますから、食事はとても大事です。

 運動は散歩がおすすめ。歩くことで気分をリフレッシュすることができるので習慣として歩くようにするといいでしょう。睡眠については、長くとるのをおすすめします。どうしても受験生は長い時間勉強をするので、睡眠時間が短くなりがちですが、たっぷり睡眠時間をとったほうが疲れが取れて学習の効率がいいようです。

 大学受験生の保護者に大事な「親力」は、「共感力」と「見守り力」。自分自身の人生も振り返って深めつつ、子どもに共感しながら見守っていきましょう。

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