横山幸雄(よこやま・ゆきお)1990年ショパン国際コンクールにおいて歴代の日本人として最年少で入賞、文化庁芸術選奨文部大臣新人賞など数多くの賞を受賞。人気、実力ともに常に音楽界をリードしている。TOKYO FM「横山幸雄のピアノでめぐり逢い」のパーソナリティ、東京と京都にレストランをオープンして音楽と旬の食事をプロデュースするなど、活躍は多岐にわたる
横山幸雄(よこやま・ゆきお)
1990年ショパン国際コンクールにおいて歴代の日本人として最年少で入賞、文化庁芸術選奨文部大臣新人賞など数多くの賞を受賞。人気、実力ともに常に音楽界をリードしている。TOKYO FM「横山幸雄のピアノでめぐり逢い」のパーソナリティ、東京と京都にレストランをオープンして音楽と旬の食事をプロデュースするなど、活躍は多岐にわたる

 デンマーク国立交響楽団が、首席指揮者ファビオ・ルイージと共に、初来日する。1925年に創設されたこの楽団は、これまでにニコライ・マルコやヘルベルト・ブロムシュテットらのマエストロが首席指揮者を務めた、北欧を代表するオーケストラの一つである。

 今回の来日公演では、ピアニストの横山幸雄が帯同し、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番「皇帝」を弾く。1990年のショパン国際コンクールに第3位入賞し、“ショパン弾き”として知られる横山であるが、これまでにベートーヴェンのピアノ協奏曲やピアノ・ソナタを全曲録音するなど、ベートーヴェンも得意のレパートリーとしている。「皇帝」はデビュー当初から弾いてきた。

「『皇帝』は、英雄的で、輝かしさや力強さに溢れています。『運命』のような深刻さはありません。第2楽章は天国のような幸福感に満ちています。ベートーヴェンでは、全編を通してこういう明るい方向に向いている作品はあまりないかもしれません。取っ付きにくさのまったくない曲で、それでいて、飽きてしまうこともなく、ベートーヴェンの絶頂期の作品だけに次から次へと楽節が畳みかけてきます。

 ベートーヴェンの作品は、どれも入念に準備され、推敲されていますが、ピアノ協奏曲は殊更にそうでした。『皇帝』は40歳前後に書かれました。ベートーヴェンはあと15年ほど生きるのですが、だんだん耳が聞こえなくなり、自身で演奏するのが難しくなっていきます。ベートーヴェンは、『皇帝』を書いているとき、自分の最後のピアノ協奏曲になるというイメージをもっていたかもしれませんね。それほど完成度が高いのです」

 今回、指揮を執るルイージは、ドレスデン国立歌劇場の音楽総監督やウィーン交響楽団の首席指揮者を歴任。現在は、デンマーク国立響のほか、チューリッヒ歌劇場やフィレンツェ五月音楽祭のシェフを兼務している。

「ルイージさんの指揮で演奏するのは今回が初めてです。世界の第一線で活躍している指揮者がベートーヴェンにどんな風なアプローチして、僕の演奏に対してどう反応してくれるのかが、今回のツアーでの一番の楽しみです」

 横山は、この3月上旬にコペンハーゲンに行き、デンマーク国立交響楽団と初共演し、彼らと3月中旬の日本ツアーを共にする。日本では、東京、金沢、名古屋、広島で「皇帝」を弾く。

「ツアーでは何回も同じ曲を演奏できるので、一回やって、次はどんな演奏になるのだろう、というような楽しみがありますね」

東芝グランドコンサート2019
ファビオ・ルイージ指揮 デンマーク国立交響楽団

●横山幸雄(ピアノ)
3月12日(火)19時開演 サントリーホール(東京)
3月13日(水)19時開演 石川県立音楽堂コンサートホール(金沢)
3月14日(木)18時45分開演 愛知県芸術劇場コンサートホール(名古屋)
3月17日(日)16時開演 上野学園ホール(広島)
ニールセン:歌劇「仮面舞踏会」序曲
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調 Op.73「皇帝」(ピアノ/横山幸雄)
チャイコフスキー:交響曲第5番 ホ短調 Op.64

●アラベラ・美歩・シュタインバッハー(ヴァイオリン)
3月16日(土)15時開演 アクロス福岡シンフォニーホール(福岡)
3月19日(火)19時開演 サントリーホール(東京)
3月21日(木・祝)15時開演 兵庫県立芸術文化センターKOBELCO大ホール(兵庫)
3月22日(金)19時開演 東京エレクトロンホール宮城(仙台)
ソレンセン:Evening Land(日本初演)
ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番 ト短調 Op.26(ヴァイオリン/アラベラ・美歩・シュタインバッハー)
ベートーヴェン:交響曲第7番 イ長調 Op.92

問い合わせ:クラシック事務局
TEL/0570-012-666(平日12:00~17:00)
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提供:フジテレビジョン