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[PR]急発展を遂げる歯科医療が担う、国民健康の最前線 日本私立歯科大学協会 第8回歯科プレスセミナー

取材・文/佐藤淳子 企画・制作/AERA dot. ADセクション
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■歯科医療の役割は時代とともに変化

 日本の歯学教育は、一般医科教育とは別の道をたどって発展してきた。歯学教育は1906年(明治39)の歯科医師法の制定とともに始まったが、その際、明治政府は「歯科は富国強兵には関わらない」として、国立大学に歯学部を設置しなかった。そのため、歯学は常に私学が先行するかたちで進歩を遂げてきたのである。1976年に設立された一般社団法人日本私立歯科大学協会には、現在、日本の私立歯科大学・歯学部17校がすべて加盟。現在も全国10万人に上る歯科医師の75%は私立歯科大学・歯学部の出身者である※1。

※1 出典:平成22年度に発表された厚生労働科学研究(地域医療基盤開発推進研究事業)の「歯科疾患等の需要予測および患者等の需要に基づく適正な歯科医師数に関する研究」から
一般社団法人 日本私立歯科大学協会  三浦廣行会長

一般社団法人 日本私立歯科大学協会  三浦廣行会長

 同協会では設立以来、歯科医療や歯科医学教育、研究などについての情報を広く国民に向けて発信してきた。「歯科プレスセミナー」もその一環である。

「歯科医を取り巻く環境は大きく変化しました。かつて歯科医の主な役割はむし歯治療でしたが、高齢化社会の到来により、歯周病治療や訪問診療など、その範囲は拡大かつ多様化しています」

同協会会長で岩手医科大学副学長・歯学部長の三浦廣行氏がこう語るように、セミナーで取り上げるテーマも世相を反映して多岐にわたる。8回目を迎えた今回は、「口腔がん」と「CAD/CAM冠」という二つのテーマについて、研究の最前線にいるそれぞれのエキスパートが講演を行った。
奥羽大学歯学部 口腔外科学講座 髙田訓教授

奥羽大学歯学部 口腔外科学講座 髙田訓教授

■早期発見には口腔がん検診の普及が急務

 最初に登壇した奥羽大学歯学部口腔外科学講座の髙田訓教授は、胃がんや乳がんより死亡率が高い口腔がんについて、その特徴や診断法、治療法について最新の情報を交えながら詳しく解説した。

 髙田氏によれば、ステージ1及び2から3への移行は2カ月、そこからステージ4までは1カ月と、口腔がんは進行スピードが速い。その上、顎下リンパ節への転移も見られることから、発見が遅れれば舌や顎などの切除を行わなくてはならず、「他のがんに比べてQOL(生活の質)が損なわれやすい」という。

 しかし、早期発見のための体制作りは進んでいない。それは日本における口腔・咽頭がんの死亡率(46.1%)※2が、アメリカ(19.1%)※3の2倍以上ということでも明らかだ。「早期発見のためには、口腔がんの認知度を広く国民の間で高めること、そして口腔がん検診の普及が急務」と髙田氏。試験的に口腔がん検診をある地域で実施したところ、口腔がんの発見率は0.001%から、実に130倍の0.13%に上がったという。「口腔がんは、目で見ることのできる数少ないがん。診断技術も進歩しているので、検診さえすれば発見しやすい」と髙田氏は語る。

「口内炎のようなものができ、2週間治らなければ悪性腫瘍を疑ってよいでしょう。口の中のことが気になったら、すぐに歯科医や口腔外科を訪れることを習慣にしてほしい」。口腔がんの早期発見には、医師側のみならず、われわれ一人ひとりの意識改革も必要だと髙田氏は語る。

※2 出典:2013年国立がんセンター統計
※3 出典:cancer statistics 2013
北海道医療大学歯学部 口腔機能修復・再建学系 デジタル歯科医学分野 疋田一洋教授

北海道医療大学歯学部 口腔機能修復・再建学系 デジタル歯科医学分野 疋田一洋教授

■保険適用で普及が進むCAD/CAM冠

 続く講演のテーマは、補綴(ほてつ=人工の歯による治療)歯科分野における最新かつ最大のトピックである「CAD/CAM冠」だ。登壇した北海道医療大学歯学部口腔機能修復・再建学系 デジタル歯科医学分野教授の疋田一洋氏は、この一見難解な話題について、動画や写真を用いて図解しながらわかりやすく解説した。

 CAD/CAMは、Computer Aided Design(コンピューター支援による設計)、Computer Aided Manufacturing(コンピューター支援による加工・製作)の略で、CAD/CAM冠とは、これまで、歯科医と歯科技工士がすべて自分の経験に頼りながら手作業で行ってきたクラウン(冠=歯の被せ物)の設計と加工、さらにはその前段階である歯の計測をデジタル化するものである。疋田氏は、長年にわたって歯科用CAD/CAMシステムのプロトタイプの製作に携わり、さらに保険適用に向けた研究を進めてきた。

 2014年に保険適用が実現すると、CAD/CAMによる小臼歯部のクラウンの製作件数は急増、16年には推計で100万本を超えた。金属価格の高騰や審美性、さらには金属アレルギーの問題などから、従来の金銀パラジウム合金製を見直す動きがあることも、非金属のハイブリッドレジンを材料とするCAD/CAM冠普及の追い風となっているという。「特に金属アレルギーを持つ人たちにとっては、非常に有効な選択肢が加わったといっていいでしょう」と疋田氏。それまでは保険適用の材料の多くが金属だったため、非金属のクラウンを作るには高額な保険外治療費がかかっていたからだ。

 CAD/CAM技術の普及は、これまで個々の歯科技工士に頼っていた技工物の質の均一化を可能にする。恩恵はこれだけではない。「特に高齢者や障害者、小児にとっては、非接触型スキャナーによる歯の計測が可能になったことで、治療そのもののストレスが軽減されます」と疋田氏。さらに作業効率の向上、労働環境の改善が望めることから、現在、懸念されている歯科技工士の減少問題解消にも期待が寄せられているという。

 疋田氏は、現在、唯一デジタル化できていない「歯の自動切削」についても早期実現の可能性を示唆した。今後の研究に期待がかかる。

※日本私立歯科大学協会の詳細はこちら(外部リンク)

提供:一般社団法人 日本私立歯科大学協会

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