働くママが、性風俗業界で働くには様々な、そして個別な理由が考えられますが、大きな背景としては貧困問題があるでしょう。子どもを養うため、「それなり」の給料を得るには風俗店で働かざるを得ない......。彼女たちにとって、風俗で仕事をすることは、最後に行き着く先と言えるかもしれません。



 しかし、現在の風俗業界、実は"狭き門"だといいます。



 坂爪さんの調査によると、実際に風俗店での面接の採用率はかなり低いとのこと。お店のなかには、「10人中、1、2人程度」しか採用しないというところもあるとか。当然、店側は採用時に、女性の容姿や仕事に対する姿勢を問うわけですが、多くの場合はその条件に満たないといいます。また、未経験者よりも経験者が優遇されることもあり、採用率は非常に低いものになっているようです。



 つまり、本人が覚悟して性風俗の世界に飛び込もうとしても、働きたくても働けない女性が大勢存在するという現実があるというのです。結果、より条件の良い性風俗店での勤務は難しくなり、"風俗の墓場"とも言える激安店に問い合わせるしかなくなるといいます。



 性風俗店で働くのも女性の自由意志。強制的ではないなら問題はない。そういう意見もあるかもしれませんが、そういう選択しか選べない女性が増えているとしたら、その社会構造そのもののおかしさを是正すべきなのではないでしょうか。