昨年は過去最多の約3万8千人が参加した東京マラソン (c)朝日新聞社
昨年は過去最多の約3万8千人が参加した東京マラソン (c)朝日新聞社

 新型コロナウイルスによる肺炎の拡大の影響が、3月1日の東京マラソンにも影を落としている。

 主催する財団は、2月14日に中国在住の参加予定者に対し、出場自粛を要請。17日には一般参加者の出場を中止した。東京五輪の男子代表選考会を兼ねるエリートの部は開催されるが、大会前日までに行われる各種イベントは中止となった。

 加えて、21日に「体調不良の方は、沿道での応援はお控えください。テレビ・ラジオでの応援をお願いします」と発表した。

 観戦する際は、せきエチケットやマスク着用などを呼びかけた。また、密集での観戦を控えるように求めた。

 スポーツ大会の主催者は右往左往している。本市で16日にあった熊本城マラソンではマスク姿のランナーが目立った。大会実行委員会事務局の担当者は振り返る。

「参加者はランナー約1万4千人にボランティア約4千人。2万枚近くのマスクを業者にお願いするなどしてかき集めました」

 そのほか、会場受付やフィニッシュ地点、イベント会場に消毒液を設置。ランナーと沿道の観客とのハイタッチゾーンやくまモンとの交流も取りやめ、コースでは観客に注意喚起を呼び掛けるなど対応に追われた。

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秦正理

秦正理

ニュース週刊誌「AERA」記者。増刊「甲子園」の編集を週刊朝日時代から長年担当中。高校野球、バスケットボール、五輪など、スポーツを中心に増刊の編集にも携わっています。

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