火の国熊本、そして九州全土に繰り返し牙をむく熊本地震。列島直下が震源となる「活断層型」のため、震度が6~7と揺れが激しく、各地で甚大な被害を出している。東京大学地震研究所の古村孝志教授(地震学)は、今回の連鎖地震についてこう解説する。
「16日のM7.3は、活断層型地震としては国内最大級です。現場は断層が連なる『断層帯』が何本もある場所。ひずみがたまる所で、地震が起きやすい。今回は『布田川・日奈久断層帯』で起きましたが、ここは国が以前からM7程度を想定していた地域。複数の地震が影響し合い、大きな地震が続けて起きたと考えられます。二つの地震は、前震・本震というよりは、いずれも二つの断層帯の本震です」
ちなみによく耳にする活断層とは、地下のひずみが特有の地形となって地表に現れたもの。実はこの危険な“活断層爆弾”は全土に存在する。
次に破裂するのはどこなのか。東北大学災害科学国際研究所の遠田晋次教授(地震地質学)の予測だ。
「被害規模を考慮すると、まず活断層に近い都市はマークすべきです。実は人口が密集する県庁所在地、主要都市の多くは活断層に近い。名古屋、京阪神などは囲まれている状況です。熊本は今回地震が発生しましたが、ほかにも仙台や広島、福岡、金沢、富山、もちろん(首都直下地震が懸念される)東京は要注意。徳島や松山にも中央構造線があります」
揺れぬ地域はないのか。東北大の遠田教授はこう続ける。
「岡山は比較的安全。高松もまだいいほうかもしれません。高知で起こることも考えにくいと思います」
ただ残念だが、これは直下で起きる「活断層型」の話。「海溝型」を含めると話は違ってくる。
文部科学省所管の地震調査研究推進本部が出した最新の地震動予測地図では、さまざまな想定ケースをシミュレーション。