「『農系女子(ノケジョ)』の言葉を聞いて膝を打った。私達の世界では今年一番の出色ではなかろうか。未来社会を切り拓くには、農系女子に託するしかない」

 実際のノケジョは何を思うのか。実家が農家で、自らも農家志望の農学科3年、谷口沙織さん(21)はこう話す。

「これまで地元の友達に農業の話をしても、何それ、という感じでしたが、『農業ってどういうもの?』と聞かれる機会が増えました。この1、2年、関心が高くなっているのを感じます」

 大学では農業実習など現場に出る機会も多い。作物のたい肥を研究する農学科3年の西岡未稀さん(21)は言う。

「農家は力仕事が多いイメージでしたが、実際の現場では、どうやったら作物をおいしく見せられるかなど、女性の発想を求めているという声も聞きます。私もその一員になれればと思っています」

 今どきのノケジョは、泥臭さも厭わない。

「たい肥を研究しているので糞にまみれることもありますが、全然平気です」(西岡さん)

 そのたくましさが農学系人気を支えているようだ。

週刊朝日 2016年3月18日号より抜粋