一方、本人の性格として浮かび上がるのが、度を越して「見えっぱり」な点だ。

 今井容疑者は就職して間もなくから、同年代や年長の同僚らを自分のカネで高級鉄板焼き店やプロ野球観戦、コンサートなどに連れていった。川崎市内や東京都内のホテルのデラックスルームに連れていくこともあったという。「大学病院の救命センターでの仕事を掛け持ちしているからカネはある」と説明していたが、真っ赤なウソ。実は入所者から盗んでいた。

 今井容疑者は15年1月から5月にかけて、入所者3人から現金や指輪など計約80万円相当を盗んだ疑いで逮捕、起訴され、横浜地裁川崎支部で懲役2年6カ月執行猶予4年の有罪判決を受けた。本人が自発的に申告した余罪を含め、19件もの窃盗を重ねていた。亡くなった夫からもらった指輪やネックレスなど入所者の思い出の品を盗んで換金したケースもある。

週刊朝日  2016年3月4日号より抜粋