注目ワード

地震   清原和博   舛添都知事   皇室   東京五輪

泥沼のシャープ “一流意識”改革が生んだ社員の勘違い

このエントリーをはてなブックマークに追加
(更新 2016/2/17 07:00)

歯車はいつ狂い始めたのか…(※イメージ)

歯車はいつ狂い始めたのか…(※イメージ)

 経営難の家電大手シャープの支援は誰が。当初優勢は政府系ファンドのはずが、液晶や白物家電事業も分離する案……。そこで一転優勢になったのは台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業だ。

 歯車はいつ狂い始めたのか。60代の技術系OBが悔やむのはある変化だ。

「2000年代半ばか、当時の町田勝彦社長が社内で言い始めた『一流意識を持て』という言葉がひっかかっている。あのあたりから社員の勘違いが始まった。一流意識なんかいらない。シャープの強みは技術者がハングリー精神を持ち、次々と新製品を開発するところ。エレクトロニクスは製品の寿命が短い。だからこそハングリーさが必要。それが強みだったはずだ」

 シャープの個性を象徴する、こんな話がある。1973年、液晶電卓を世界で初めて開発。ところが、間もなく担当部長が言った。「液晶電卓はもう先が見えている。次だ」

 数年後に出したのは、液晶を使った「電子式タクシーメーター」。当時はまだ歯車の機械式だったが、高度成長期の所得増加でタクシー利用も増え、料金改定を繰り返す時代。そこに目を付けてOEM生産に乗り出した。「ヤギの人工心臓」など医療分野の研究開発もあった。

 ところがそのうちの一つで一世を風靡した液晶が“泥沼”となる。液晶テレビ「AQUOS」(01年発売)を筆頭に液晶事業が成功を収めると、サムスンなど韓国勢も次々と市場に参入。対抗するシャープは約4300億円を投じて大阪府堺市に世界最大級のテレビ用液晶工場を造るなど、資金などのリソースを液晶に集中させた。だが昨年4~12月期決算の液晶事業は372億円の営業赤字。「執念」が皮肉な結果を招いている。


トップにもどる 週刊朝日記事一覧


【関連記事】

   企業 をもっと見る
このエントリーをはてなブックマークに追加

ビジネス アクセスランキング

ソーシャルメディアでdot.をフォロー