例えば、じぶん銀行はがん診断の確定でローン残高が半分になる「がん50%保障団信」が無料で付く。横浜銀行は住宅ローンと給与口座の利用者ならば教育ローンで0.5%優遇するという。ローン別にアドバイスもある。

「自動車ローンは融資手数料、教育ローンは保証料の有無と金額に注意。やはり総額で比べてください」(平野氏)。あと一つ、借り換えにはコツがある。

「他行で見積もった金利と費用の試算を持ち、自分の銀行に相談してみるといいかもしれません」(同)

◇預金

 安心して資産を預けられる先は、このままなくなってしまうのだろうか。

 新生銀行、八十二銀行、横浜銀行、りそな銀行、ソニー銀行、岩手銀行……。日銀のマイナス金利政策の導入発表以降、預金金利を下げる動きが相次いでいる。

 顕著なのが、定期預金の金利引き下げだ。新生銀行は店頭での500万円以上の定期預金などを引き下げており、3年物は年0.3%から0.06%になった。

 八十二銀行と横浜銀行の定期預金金利(1年以下)は年0.02%と普通預金と同等の水準になり、りそな銀行の定期預金金利(2~5年物)は年0.025%に引き下げられた。

 さらに、メガバンク3行も8日から、預金金利を下げると報じられた。

「日銀がマイナス金利政策を導入するのは2月16日からです。それ以降にならないと本格的な影響はわからないのが現状です。これまでネット銀行の多くは比較的高い金利を付けてきましたが、今後はどうなるか、影響は未知数です」(ファイナンシャルプランナーの坂本綾子さん)

 ソニー銀行の普通預金金利は0.02%から0.001%へと急激に引き下げられ、岩手銀行にいたっては、ネット専用の「イーハトーヴ支店」の一部定期預金の受付を中止してしまった。

 マイナス金利下では、どこに資産を預ければいいか。マネー評論家の新田ヒカルさんがアドバイスする。

「ネット銀行、メガバンクや地銀であっても、預け先は定期預金より普通預金が良いでしょう。定期預金は預け入れる期間が長くなればなるほど利回りが高いのですが、今後どうなるかわかりません。手間を考えれば、普通預金でしょうね」

 普通預金より割が良いのは、個人向け国債変動10年だ。6カ月ごとに金利は見直されるが、金利の下限0.05%が設定されており、それ以下になることはない。

「『10年』と銘打っていますが、1年間持っていたら解約することができます。もともと最悪な事態になっても預金金利に負けない国債にするには、と設計されたので、金利が預金に比べて高い」(ファイナンシャルプランナーの前川貢さん)

 変動10年は日銀が思い描くようにインフレが進めば利率は上がり、進まなくても預金よりお得。買わない手はない。毎月募集しており、全国の金融機関で1万円から買える。

週刊朝日  2016年2月19日号より抜粋