ルーキーイヤーから活躍して、存在が大きくなって、“番長”を演じていたんだと思います。巨人に移ってから“番長”になった。きっと、孤独だったんでしょうね。すごいプレッシャーで、頼るものがクスリしかなかったのかもしれません。

 キヨは酒を飲んでも基本的に騒がないです。後輩たちにストレス発散の場所を与えてやっても、自分はためてしまっていたのかも。カラオケなんかも自分では歌わないんです。

 オリックス時代、キヨはユニホームや練習着を自宅に持って帰って、自分で洗濯していたそうです。自分を受け入れてくれた仰木監督へ礼を尽くすということだったのかな。普通、選手は籠に投げ入れて、次の日に受け取るだけ。あいつは基本的に優しいんですよ。乱闘になったって、相手を殴らないでしょ。デッドボールを受けても、先輩を立てているんです。

 きっと、今は自分がしたことを悔いているでしょうから、18歳の純粋な野球人だったころのあいつに戻っていくと思うんですよ。自分を隠さず、自分を騙さず、自力で這い上がってほしいですね。

(取材班=今西憲之、上田耕司、亀井洋志、長倉克枝、西岡千史、林壮一、松岡かすみ、柳川悠二)

週刊朝日  2016年2月19日号