「一般人なら問題ありませんが、三木谷氏からプレゼントされた時、甘利氏は経産相でしたからね。疑問の声もありました」(野党国会議員)

 バンダイ御曹司のY氏と甘利氏との関係は、美術品の売買だけではなかった。

 Y氏の甘利氏への入れ込みようは強く、赤坂の高級料亭「K」で頻繁に会合を開いていたという。前出の元幹部は言う。

「政治家のメンバーは、甘利さんも含めていつも5人。私は、白い封筒に『お車代』というハンコを押して、現金を入れていました。中身は甘利さんに10万円、他の4人は5万円でした」

 高級料亭として知られるKのコース料理は、一人あたり約3万円。酒代は別なので、計4回もの会合を開いた07年4月には、合計の支払額が約200万円になったという。もちろん「お車代」は別だ。

 甘利氏は辞任会見の質疑応答で、支援者から現金を直接、渡されることはあるのかと問われ、「そんなことはない」と否定していたのだが……。さらに前出の元幹部はこう訴えた。

「Y氏は、甘利事務所の紹介で秘書を従業員にしました。当時、散財がたたり、Y氏も借金で苦しい状況でしたが……」

 売れるものは売る。もらうものはもらう。二世議員の甘利氏にはそんな体質が染みついていたのか。

(本誌取材班=西岡千史、上田耕司、亀井洋志、牧野めぐみ)

週刊朝日 2016年2月12日号より抜粋