Y氏の父は自民党の“タニマチ”として有名で、森喜朗元首相の支援者としても知られていた。Y氏もそれを引き継ぐ形で、将来の有望株として甘利氏に白羽の矢を立て、献金を頻繁にするなど支援していた。

 問題はその1500万円という金額だ。Y氏の個人会社の別の元幹部の証言。

「5年ほど前、甘利氏から購入した美術品3点をY氏の指示で美術品鑑定のプロに出しました。その評価額はなんと100万円程度でわれわれは落胆しましたが、御曹司のY氏は『あ、そう』という感じ。さほど驚いていませんでした。実質1400万円が甘利氏の懐に入ったワケですが、もともと政治献金のつもりで購入したのかもしれません」

 甘利氏側は「売買は契約書を交わし適正に行われ、税務申告も行っています」と主張したのだが、真相はいかに……。

 ちなみに甘利氏の収集癖は筋金入りで、HPで≪いつも録画しているテレビ番組は「開運!なんでも鑑定団」≫と公表している。

 2014年8月には念願かなって番組に出演したが、その際に鑑定を依頼したのは、田中将大投手(現ヤンキース)が07年にプロ入り初完封をした時に着ていたサイン入りユニホームだった。これは、楽天の三木谷浩史会長兼社長からプレゼントされたものだと明かし、甘利氏の評価額は50万円だったのが、鑑定額は200万円になった。

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