年を重ねるにつれ、心配になるのが健康。作家・林真理子さんと対談した、『100歳までボケない101の方法』の著者・白澤卓二さんは糖質制限が認知症の予防になるという。
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白澤:僕の周りで糖質制限をしてる人は、ステーキを食べますね。200グラムとか300グラムのステーキに野菜というパターンです。おもしろいのは、100歳で元気な人もお肉はステーキを選ぶんです。
林:すき焼きとか、しゃぶしゃぶじゃなくて。
白澤:噛むのを楽しみにしてるんです。
林:歯がいいんですね。肉を食べるから歯がいいんじゃなくて、健康で歯がいいから肉を食べる。瀬戸内寂聴先生もお肉が大好きですもんね。
白澤:日野原(重明)先生もでっかいステーキを食べてました。義歯でもいいんですよ。三浦雄一郎さんのお父さまの三浦敬三さんはたしか75歳ぐらいで総入れ歯になったんですが、100歳になっても圧力鍋にチキンを丸ごと入れて煮て、全部食べてました。
林:すごい。
白澤:糖質制限は認知症の予防にもなるんです。糖質制限することで、認知症の原因となる脳内アミロイドが減少して、海馬のグルタチオン(脳を保護する抗酸化物質)が増加することがわかっています。
林:先生は「脳の栄養となるのはブドウ糖(炭水化物)だけという人がいるが、それは嘘だ」とおっしゃってますね。
白澤:そうです。糖尿病でインスリン治療をしている人が低血糖になった場合はブドウ糖が必要ですが、それはあくまでも治療上の事故です。脳はハイブリッドエンジンだと考えてください。
林:ハイブリッドエンジンですか。
白澤:脂肪を燃やしても動くし、糖質を燃やしても動く。炭水化物をたくさんとっている状態では脂肪はなかなか燃えませんが、制限すればエネルギーの70%までは脂肪から作ることができます。糖質が必要なことは間違いありませんが、糖質だけが脳の栄養になっているというのは、間違いなんです。
※週刊朝日 2015年12月11日号より抜粋