無人偵察機「グローバルホーク」の性能などについて説明する米軍のパイロット (c)朝日新聞社 @@写禁
無人偵察機「グローバルホーク」の性能などについて説明する米軍のパイロット (c)朝日新聞社 @@写禁

 安倍政権の安保法制が国論を二分するなか、とんでもない事実が発覚した。安倍政権は、来年度予算で世界最先端の兵器を米国から購入し、自衛隊に導入するつもりだ。ところが、自衛隊にはそれを使いこなすインフラが整っていないという。防衛省OBらが衝撃の告発をする。

 今夏、米グアムの基地から青森県の航空自衛隊三沢基地に米空軍の無人偵察機が飛来した。その名は「グローバルホーク」。

 通常、同機はグアムで運用しているが、台風シーズンの運用に制約が生じ、三沢基地に一時、配備されることになった。来年2月までアジア太平洋地域の偵察活動を行うという。

 安保法の成立に先立つ8月下旬、防衛省は来年度予算で過去最高となる5兆911億円を概算要求した。新たに導入予定の兵器のうち、目玉の一つがこのグローバルホーク(3機、367億円)だ。無人で飛び、高度2万メートルの上空から10センチ四方の物体を識別できる能力を備えている。

 そして、もう一つの目玉が戦闘機F35(6機、1035億円)だ。F35は敵のレーダーに察知されにくい形状で「ステルス性能」が高く、逆に敵を察知するための電子光学センサーは深夜でも機能し、鮮明な画像を得られる。このため、敵に察知される前にいち早く敵を把握し、ミサイル攻撃を加えられるという。

 両機を活用することで今後は、自衛隊の情報収集能力は格段に上がる。敵を捉えた映像は、全国の基地間などに張り巡らせている防衛情報通信基盤(DII)という通信ネットワークを通じて瞬時に官邸や防衛省に送られ、指揮官に判断を委ねることができるようになるとみられている。

 ところが、驚くべきことに、そうした自衛隊の最新装備を運用するためのインフラに「重大な欠陥がある」と、複数の防衛省関係者が話すのだ。

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