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 バズーカを発射すると株価が急伸することから、市場は黒田東彦日銀総裁による異次元の量的緩和を手放しで歓迎している。

 だが、いずれは完全に身動きがとれなくなると警告するのが同志社大学の浜矩子教授である。

「本来、中央銀行である日銀は“最後の貸し手”。いざという場面で民間の金融システムを守ることで、初めて通貨の安定も図られる。ところが、今は“最初の貸し手”となっているうえ、その相手が政府なのですから、非常に危うい」

 量的緩和と称して励んでいるのは、日本国債の大量購入だ。いわば国の借金の肩代わりで、「もはや金融政策の体をなしていない」と浜氏は酷評する。

 すでに現時点においても、日本が莫大な財政赤字を抱えているのは周知のこと。

 実は、政府が保有する金融資産を差し引いた後でも、日本が抱える債務残高の対GDP比率はギリシャに次ぐ世界ワースト2位(主要98カ国中)。しかも、19年にはギリシャを超えるという。

 にもかかわらず、今のところ国内の長期金利は、低水準で安定している。その理由について、国内随一の日銀ウォッチャーである東短リサーチの加藤出チーフエコノミストは指摘する。

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