大人になって気づく発達障害

このエントリーをはてなブックマークに追加
(更新 2014/10/ 6 15:00)

イラスト:植木美江

イラスト:植木美江

NHK きょうの健康 2014年 08月号

NHK出版
定価:545円(税込)

amazonamazon.co.jp

社会に出て、対応し切れないことが出てきて初めて発達障害に気づくというケースが増えています。名古屋大学大学院 准教授の岡田 俊(おかだ・たかし)さんに発達障害のタイプと診断について教えていただきました。

* * *


■大人の発達障害

■社会に出てから特性に気付く
発達障害が社会的に広く知られるようになったことで、年齢を問わず、発達障害と診断される人が増えています。大人になってから診断されるケースには、症状が軽いものがあります。子どもの頃や学生時代には問題を感じることのなかった人が、社会に出て環境が変わったことで混乱することが多くなり、援助を必要とするようになって、発達障害であることがわかるというケースがあるのです。
発達障害とは、生まれつきの脳の働き方の違いにより、物事の捉え方や行動パターンに特徴がある状態をいいます。
発達障害の症状や特徴は子どもの頃から現れているのですが、軽度だと、社会に出るまでは、何とか工夫して乗り切れることがあります。しかし、社会に出ると、一人で多くのことをこなす必要が生じてきます。そのため、対応可能な範囲を超え、困難を抱えてしまうことがあるのです。
具体的には、「人とうまくコミュニケーションがとれない」「仕事でミスが多い」「臨機応変に対応できない」「計画的に物事が進められない」「かんしゃくを起こすなど、感情のコントロールが難しい」といったことがあげられます。
■発達障害のタイプと特性
発達障害は、次のようにいくつかのタイプに分けることができます。
自閉スペクトラム症は、「自閉症に連続性をもつ状態」という意味をもつ病名です。特定の領域に強い興味やこだわりがあるという特徴をもつ発達障害です。自閉症やアスペルガー症候群がここに含まれます。
注意欠如・多動症(ADHD)は、落ち着きがない、待てない、注意が散りやすい、などの特徴をもっています。
学習症(学習障害・LD)は、読み、書き、計算などのいずれかに著しい困難があるのが特徴です。
知的能力障害(知的障害)は、知能指数の低さで診断されます。
これらの発達障害を複数併せもったり、診断には至らないまでも、別の発達障害の傾向をもっていたりすることはよくあります。例えば、自閉スペクトラム症のアスペルガー症候群の場合、知的能力障害を併せもつことは少ないのですが、注意欠如・多動症を伴うことも珍しくありません。

■発達障害の診断

発達障害の可能性が考えられる場合、受診先は精神科がよいでしょう。睡眠障害やうつ病など、精神的な不調を抱えていることも多いので、その点からも精神科が勧められます。
■問診で確認すること
発達障害の診断では、問診が非常に重要です。生まれたときのこと、小さい頃の成長の過程、家庭や学校でどのような生活を送ってきたのか、といったことを尋ねます。母子手帳や学校の通知表などを参考に、行動や物事の捉え方のパターンを確認していくこともあります。
■知能検査とは
知能検査が行われることもあります。知能検査は、知能のレベルを調べる検査と思われがちですが、わかるのはそれだけではありません。
例えば、言葉で説明する力、計算力、目で見て捉えたことに応じて手を動かす力などをチェックすることもできます。それらを調べることで、知能のどの領域が得意で、どこが不得意なのか、さらに得意な領域と不得意な領域でどれだけ差があるのか、といったことも確認できるのです。
受診するときは、家族と一緒に行くことが勧められます。その人のことやそれまでの人生について最もよく知っていて、今後の生活で協力者として最も頼りになるのは、やはり家族だからです。
■『NHKきょうの健康』2014年8月号より

トップにもどる NHKテキストビュー記事一覧



【関連記事】

このエントリーをはてなブックマークに追加

ライフ アクセスランキング

ソーシャルメディアでdot.をフォロー