仲良くしていると思ったらすぐにケンカで、今日もため息。きょうだい平等に目も手もかけられなくて、申し訳ない気持ち。どうしてきょうだいの子育てにはこんなにも悩みが付きまとう!? 保育士経験があり、メディアなどでも活躍している大阪教育大学の小崎恭弘先生に、きょうだい子育てに関する悩みにお答えいただきました。「AERA with Kids秋号」(朝日新聞出版)から一部抜粋して紹介します。

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【読者からの悩み1】

 親である私としては兄弟2人を平等にかわいがっているつもりなのですが、上の子から下の子のほうをかわいがっていると文句を言われます。むしろ上の子のほうに手をかけているのに……。どうすれば上の子が愛されていると感じてくれるのでしょうか?

(小4男子、小2男子の母)

【小崎先生の答え】

 親御さんからしたら、上のお子さんの勉強や習い事のサポートなど手をかけているのに、なぜ弟だけをかわいがっていると思うのか、疑問に思いますよね。実際に手をかけていることと、愛情が伝わっているかどうかは別の問題なのです。

 おそらく、お子さんから「ぼくと弟、どっちが好き?」と聞かれることもあるでしょう。あなたならどう答えますか? 絶対的な正解はありませんが、私は「あなたが一番好きよ」と答えるのがいいと思っています。質問したお子さんの気持ちを考えてみてください。親に愛されているかどうか、不安なんですよね。弟に親からの愛情をとられてしまったのではないか、心配になって聞く。だから不安を取り除いてあげる答えがベストです。

 でも、親はこういうときに「きょうだい平等に接するべき」と考えて「どちらも好きだよ」と答えるケースが多い。それは子どもが求めている答えではないんですね。かえって、お子さんが不安感を強めてしまう可能性もあります。

 ちなみに、「あなたが一番好き」と伝えるときは、ほかのきょうだいのいないところでしてくださいね。また、「弟には内緒だよ」と言って親御さんと二人でアイスでも食べれば、自分は特別に愛されているという自信につながります。逆に、下のお子さんから「どっちが好き?」と聞かれたら、上のお子さんのいないところで。姉妹だって同じです。なんだか詐欺師っぽいですけど(笑)、ここは、平等ではなく公平に。求められているときに求められる答えを言いましょう。一緒に寝たり、スキンシップをとったりしても、十分に愛情が伝わりますよ。愛されている自信がつけば、ほかのきょうだいにも優しくなれます。

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AERA with Kids編集部
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