東洋大・甲斐野央 (c)朝日新聞社
東洋大・甲斐野央 (c)朝日新聞社

 2018年のプロ野球新人選択会議(ドラフト)は今月25日に開催される。今年は大阪桐蔭の根尾昂や藤原恭大、金足農の吉田輝星といった甲子園をわかせた高校球児に注目が集まっているが、必要な補強ポイントから各球団のドラフト戦略を冷静に探ってみる。今回取り上げるのは今季パ・リーグで最下位に終わった東北楽天ゴールデンイーグルスだ。
 
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 今月25日にいよいよプロ野球新人選択会議(ドラフト)が開催される。今年は、夏の甲子園を沸かせた大阪桐蔭・根尾昂、金足農・吉田輝星をはじめ逸材が揃っているが、各球団が獲得すべき選手は誰だろうか。今回は今季パ・リーグの最下位に沈んだ楽天イーグルスだ。

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 開幕から低空飛行を続けた楽天だが、早々にシーズンを諦めたことによって戦力の整備は着々と進んでいるといえる。

 先発投手陣はリーグ防御率1位の岸孝之以外は働かなかったが、則本昂大が、来季も活躍できないとは考えにくい。8月に右肘の手術を受けた美馬学や左腕の辛島航、塩見貴洋もローテを回ってもらわないといけない存在だし、加えて、今季多くの経験積んだ古川侑利、藤平尚真ら若手も楽しみな投手がいる。シーズン最終盤には松井裕樹が先発復帰したため、来季の先発陣はそこそこ名前が出てくる。

 打撃陣は1番・中堅手のポジションを完全に獲得した田中和基、長距離砲の期待がかかる内田靖人という若手が出てきた。島内宏明、茂木栄五郎、銀次の好打者トリオとウィーラーに今江年晶を加えると、あるポジションを除いては計算が立ちつつある。

 その中で補強ポイントを探っていくと、イの一番に上がるのがブルペンだ。

 松井を先発に復帰させることが検討されている上、外国人のハーマンの去就も安泰ではないだろう。なか、クローザー候補を中心にしたブルペンの枚数は揃えておかなければいけない。クローザー中心に人選を進めたい。

 大学屈指の右腕・甲斐野央(東洋大)が適任だ。最速159キロのストレートを武器に、大学日本代表のクローザーとしても活躍した。先発投手の適性適正もないわけではないが、早々に早くにブルペン陣の層をを厚くするには甲斐野が補強ポイントに合致する。ここ数年の東洋大出身の投手は大学時代の登板過多の影響か、プロでのパフォーマンスが伸びない傾向が出つつあるが、同期にドラフト1位候補が他に2人いる幸運に恵まれたこともあり、甲斐野にはその心配はなさそうだ。

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2番手候補は…