世界で1億ダウンロードを記録し、日本国内でも大ブームとなったスマートフォンゲーム「ポケモンGO」。スマホ片手に街をうろつく人々が急増するなど社会現象となったが、一方でブームに陰りが見え始めていると指摘されている。
リリースと同時にアプリランキングで1位になった「ポケモンGO」だが、早くも7月末には首位から陥落。8月5日時点のiOS向けAppStoreの無料ランキングでは3位に、アンドロイド向けのGooglePlayで4位まで後退した。ネット上でも「1週間で飽きた」「少しやってポケモンを懐かしんだら十分」「もうアンインストールしちゃった」といった声が多数上がり始めている。
「日本よりも2週間先行して配信されたアメリカでも、当初のブームは半月ほどで沈静化しました。調査会社の米SurveyMonkeyによると、アクティブユーザーは配信直後の2500万人から2200万人に減っています。日本も同じようにブームは1カ月と持たないと予測されています。今後、日本でもライトユーザーが離れ、コアなユーザーだけが残るという状況になるでしょう。日本では配信開始3日間で1000万ダウンロードを突破しましたが、アクティブユーザーはこれより大分少ないと思います」(アプリ制作会社のエンジニア)
失速の原因としては、アプリデザイナーの深津貴之氏が自身のTwitterで指摘した「中期ゴールの欠如」が第一に挙げられている。「ポケモンGO」の最大の目標はポケモン図鑑のコンプリートだが、百数十種類いるポケモンを全て集めるのは途方もない時間が必要になる。その前に「中期ゴール」と呼べる手近な目標がなければユーザーはモチベーションを失って急速に離れてしまうというわけだ。
各地に点在する「ジム」の攻略が中期ゴールになり得るはずだったが、ジム戦は“ゲーム廃人”ともいえるコアユーザーの独壇場。ライトユーザーでは全く歯が立たず、逆に近寄りがたい場所になっている。
今後、さらにユーザーの離脱が進んでしまいそうな要素もあるという。