「感動ポルノとして被災地を消費する人や、就職面接のネタにするために参加している大学生もいる。動機は何であれ被災地の役に立つのならいいのですが、そういった人はトラブルの原因になりがちです。勢いだけでやみくもに現地入りすれば交通や救援活動の妨げになったり、無用に被災地の負担を増やすことにもなる」(同)

 ボランティア希望者が殺到しているために受け入れ態勢が限界に達し、現地入りしながら仕事が割り振られずに活動できない「ボランティア難民」も発生している。大型連休で希望者が増加すれば、より現地の混乱は増すだろう。

「地元の自治体やボランティア支援団体が発表する情報をしっかりと事前にチェックし、需要もないのに押し掛けるようなことは慎むべきだ。ボランティア経験や医療などの特別な技能がなければ参加できる仕事は限られてくるので、被災地に行かずとも可能な支援をするのも重要なことだと思います。もし参加する場合もボランティアセンターへの登録やボランティア保険への加入、複数人行動を心掛けるなど、とにかく地元に迷惑をかけないことを第一にしてもらいたい」(同)

 災害からの復興にはボランティアの存在が不可欠。だが、まだまだ余震の恐怖から解放されていない被災地では復興ムードはひとまず先の話だ。善意の協力は立派なことであるが、感情に任せて行動するのではなく「自分にできること」を冷静に判断する必要があるだろう。

(ライター・別所たけし)