瀬古:私は中継車に乗って解説するんですが、レースが始まると朝7時頃~14時頃までトイレに行けないんですよね(笑)。前日から水分をあまり摂らないように調整したりしていて、万が一の時のために実は私は紙オムツをつけていて(笑)。実際に使ったことはありませんが(笑)。

――そんな知られざる苦労もあるんですね! 最後に、改めて今年の箱根のみどころをお願いします。

瀬古:箱根はどの大学ももっとも力を入れてくるレース。なかでもやはり山は注目で「山を制する者は箱根を制する」という言葉もあるほどですからね。これに加えて、展開があるのは2区。アップダウンもある上に距離も長いので、選手にはスピード、スタミナ、ペース配分が求められます。ここで強い選手は、マラソンも走れる選手。東京五輪の男子マラソンで活躍してくれる選手も、ここから出るかもしれません。

(聞き手=ライター・横田 泉)

◇せこ・としひこ 1956年7月15日、三重県桑名市生まれ。早稲田大学時代に箱根駅伝に出場、1977年から4年連続で2区を走り、79年、80年には区間賞を獲得。現役時代は国内外のマラソンで戦績15戦10勝。2013年4月よりDeNA ランニングクラブの総監督を務める。