超党派議員連盟の幹事長として、女性議員を増やすために、候補者をできる限り男女同数にする法案を国会に提出することを目指していたが、自民党内の男性議員からは「同数」ではなく「均衡」に、と反対意見が出た(撮影/写真部・今村拓馬)
超党派議員連盟の幹事長として、女性議員を増やすために、候補者をできる限り男女同数にする法案を国会に提出することを目指していたが、自民党内の男性議員からは「同数」ではなく「均衡」に、と反対意見が出た(撮影/写真部・今村拓馬)

 日本の衆参両院の国会議員(717人)のうち、女性は94人。世界を見渡しても、日本の国会議員の女性比率は低い。彼女たちは男社会の永田町でもがき、懸命に闘っている。オヤジ化した自分と決別する女性議員も出始めた。野田聖子衆議院議員(56)=元自民党総務会長=に話を聞いた。

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 初当選した32歳のときは本当に孤独でした。何を言えばいいのか、着たらいいのか、誰も教えてくれない。女性だから下に見られることもたくさんあった。

 だから私も、いわゆるおじさん政治家を演じていました。ポストをもらうためには自分の意思も捨てるし、派閥に入ったら絶対的に派閥のいうことを聞く。こういうメンタリティーって男性的じゃないですか。でもなんで同じ給料のおっちゃんに「先生お願いします」なんて言わないといけないのか、自分が自分じゃないみたいで嫌でした。

 ブレークスルーしたのは結婚して子どもを産んでから。息子の前でヘタレ感満載の政治家・野田聖子を見せたくない。家でも国会議事堂でも同じ私でいたいと思うようになったのがきっかけです。党の方針に逆らって郵政民営化に反対してこっぴどくやられたときは、やった側の人たちを見ると鬱々とした気持ちになっていたんだけど、息子のオムツを替えていたときにふと「ああ、彼らも小さい頃はこんなだったのね」と思ったんです。そこで何かが抜けてね。それ以来、嫌な男性に会うと脳内でオムツを替えています(笑)。

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