子どもをもつ親にとって、時に負担となるPTA役員の仕事。アエラ3月3日号では、じゃんけんやくじ引き、ポイント制などによってPTAの役職を強要される実態を取り上げた。事情がある人も免除しなかったり、できない理由を公表させたりと「人権侵害」ともとれる対応が常態化しているPTAもあった。編集部にはメールなどで多くの反響が届いた。その中には、役員決めだけでなく、PTAの活動そのものを疑問視する声もあった。

 鹿児島市に住む岩元美紀さん(40)は昨年4月、次女の小学校入学と同時にPTAに退会届を出した。高校生の長女の時の経験から、役員選びの煩わしさに疲れ切っていたからだ。すぐさま校長室に呼ばれ、校長から非難された。

「道義的に問題がある。他のお母さん方に説明してください」

 どうにか退会届は受理されたものの、今度は、「非会員の子どもは夏休みのプールには保護者同伴でなければ入れません」と担任から連絡がきた。PTAの母親たちが当番でプール監視をしているため、非会員の子どもの監視はしない、というのだ。当時は3人目の妊娠中で臨月が近く、県外出身のため頼れる親戚もいない。炎天下のプールサイドに立てるわけもなく、途方に暮れた。バザーのチケットや集団下校をめぐっても「仲間外れ」のような扱いを受けた。

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