「仕事で役立てたい」「コミュニケーションの幅を広げたい」など英語を学びたい理由はさまざま。全国に英会話スクールをもつECCの太田さんに、日本にいながら英語のスキルを磨いてきたyuuさんが大人の英語の学び直しについてインタビュー。
文／橋爪玲子 写真／MIKIKO デザイン／スープアップデザインズ
企画・制作／AERA dot. AD セクション
yuu私自身、一昨年まで英語をおもに使う仕事をしていたため、対面とオンラインでの英語レッスンを受講しました。そのときに感じたことは、決まった日時に教室に行き、同じ先生に教わったほうが、目的意識を先生と共有できるということです。
太田そうですね。大人の場合は、何が目的なのか、きちんと把握することが、英語力を伸ばすために大切だと思います。
yuu言語も生き物。生きた英語を学ぶためにECCのレッスンで工夫されていることはありますか。
太田レッスンでは生徒さんたちが自分の身の回りのことや自分が関わっていることなど、自分のことについて話す時間が多いので、教材だけでなく、先生がそれらを拾い上げながら旬の話題でやり取りすることでしょうか。
yuuレッスン中に自分のことを英語を使ってたくさん話すのはいいですね。
太田レッスンの最初から最後までひたすら主役が「自分」なので、みなさんが持っている「借りモノではない」英語を鍛えていくことになります。
yuuさん
小１男子のママ。会社員の傍ら、親子リンク服“SUGAR”のディレクターを務める。共著に『「東大脳」を育てる3歳までの習慣』（東大卒ママの会著）。Instagram（@punyuugram）では知育や美容、旅行など幅広く発信。TOEICR950点。※Instagramは、Meta Platforms, Inc.の商標です
太田敦子さん
ECC総合教育研究所所長。幼児から大人までを対象として幅広い英語教材の開発、指導法の研究に従事。近年は小学校教師など英語指導者の育成に携わる。
yuu学生時代に習った英語が役に立っていないと感じるのは、おそらくテキストが自分ごとじゃなかったから。だからちょっと知らないフレーズがあると習ったことがないと思ってしまう。だけど、実は自分がわかる少ない単語でも、結構使えますよね。
太田そうなんですよ。実は一般的には、だいたい高校卒業までに2千～3千語の語彙が身についているはずなんです。それに話し言葉は、ほとんど中学校の文法で事足ります。つまりみなさんは英語が話せるわけです。ただ、学んだ英語と使う英語はやはり別物。なので、使う力に変えていくレッスンをしていくと、意外と短い時間で、上達していきます。
yuu英語力を伸ばすのに悩まれる大人の方って多いと思うのですが、上達するためのアドバイスってありますか。
太田 「聞く」「話す」「読む」「書く」ならば、日本人は「聞く（リスニング）」が特に苦手です。話せないという前に、実は聞き取れていない。なので、石にかじりついても1千時間リスニングをやってみる。それぐらい聞くと、英語本来の音に反応できるデータベースができあがります。またリスニングで聞き取れなかったところは、必ずテキストで英語を確認することも大切です。
英語力を伸ばすには、習慣化が大切という太田さん。そして「英語を勉強しよう」と思うより、「英語のある生活を続けよう」ぐらいに肩の力を抜いて考えるのがいいそう。
yuu頭の中にたくさんインプットしても、日本で生活しているとアウトプットの場所が少ないと思います。それを解消するためのコツは何かありますか？
太田シャドーイングやリピーティング、音読などがいいと思います。あとは日本語を見て反射的に英語に直していくサイトトランスレーションや3行ぐらいの英語日記をつけるとか。大事なのはそれを習慣化することです。
yuuそうなんですよね。私は歯磨きと同じだといつも思ってるんですけど、歯磨きって習慣じゃないですか。それと結びつけて、歯磨きしているときは、頭の中で英語で考えるようにすると、大人の習慣づけにはすごくいいのかな、と思います。
太田海外ドラマもおすすめです。お気に入りの作品を日本語の字幕で何回か見たら、次は字幕なしで英語だけで見るとかなり楽しめますよ。
yuuドラマはいいですね。私も大好きな海外ドラマを何回も見て、たくさん英語を覚えました。ドラマだと日常生活で使う言い回しも多いので、使える英語の学びにもなりますよね。
- 日本の英語教育が染みついていて、発音に自信がないし、文法を意識してしまいます。
- 現代英語は「Global Englishes」と言われるように、とても多様な英語が世界のいたるところで話されています。日本人の話す英語も、そのような英語バリエーションのひとつ。発音や文法などを気にしすぎることなく、堂々と大らかに「日本人の英語」を使ってください。
- スクールか、それともアプリでレッスンか、どっちがいい？
- 時間がとれるならば、決まった曜日と時間にレッスンに行くという習慣をつけることをおすすめします。また個人レッスンのほうが話す量が多いのでいいという方もいますが、横のつながりができるグループレッスンも刺激し合えていいですよ。
- センテンスがあっているかはどうチェックすればいい？
- 実際のコミュニケーションの場面で「センテンスがあっているか」をチェックする余裕はありませんし、その必要もありません。話し相手も、あなたの話す英語の正しさや発音の良し悪しではなく、あなたの話す内容や人間そのものに興味があるのです。対話の場面ではひたすら対話に気持ちを集中させることが、結果として英語力の向上にもつながります。
